よだかの図書室

僕が楽しんだ何かについての備忘録

ロスリック国と青教

ダークソウルの考察記事です。

 

今回のテーマは「ロスリック国と青教」についてです。

 

神族が登場するダークソウル世界には、それらに応じて様々な信仰があります。

特に有名なのが「白教」で、グウィンの叔父と言われる「主神ロイド」を祀る宗教だそうです。

基本的にダクソ世界での信仰者とは白教の信徒のことだと思っていい、と言えるほど巨大な組織であり、その痕跡はダクソシリーズ1.2.3の全てに登場しています。

特に3には元々白教の大聖堂だった「深みの聖堂」というエリアが登場しており、ストーリーに深く関わってきました。

 

では3の舞台となった国「ロスリック国」の国教も白教なのでしょうか?

これについては、違うと思います。

当然少なからず影響は受けていますが、ロスリック国の国教と呼べるものは「青教」だったのではないかと考えられます。

このように考えた理由をつらつらと述べていきます。いまさらとか言わないでね。あと、割愛できるテキストは割愛しています。

 

【根拠①:エンマと青教】

青教を示すイベントとして目立つのは、エンマが青教を渡すことでしょう。

ロスリックの高壁にいる「祭儀長エンマ」が、主人公に餞別として青教の紋章を渡してきました。

ロスリックには王を支える「三柱」があり、それぞれ祭儀長、騎士、賢者で構成されています。

「祭儀長」とは代々女性が務め、王子の乳母でもありました。

エンマは国是である【火継ぎ】をロスリック王子個人の意見よりも優先しており、さらに「獅子騎士アルバート」という白霊召喚できる騎士は、プレイヤーが祭儀長と敵対すると自分から帰還していました。

これらのことから祭儀長とはロスリック国の政治を担当していたブレーンの可能性が高く、騎士たちも祭儀長に追随しており、ロスリック王子が火継ぎを拒否して引きこもっていた本編においては、おそらく最も政治的影響力のあった人物こそがエンマだと考えられます。

 

そのエンマが青教誓約の紋章を持っていた時点で、かなり信頼できそうな「国教=青教」説が登場します。

 

 

【根拠②:暗月と青教】

さらに、3における青教は初出の2とは違い、「誓約:青の守護者と誓約:暗月の騎士、その双方の庇護を受ける」というものでした。

3には1の重要エリアであるアノールロンドが登場しており、また3本編に近い時期まではアノールロンドに暗月の神グウィンドリンが君臨していたことを踏まえると、火継ぎを国是とするロスリック国がアノールロンドと関係する誓約を結んでいたとしてもおかしくありません。

 

2のドラングレイグにあった青教が青の守護者たちの庇護しか受けられなかったことから、青教に暗月との約定を追加したという流れも想定できますが、その場合も当然ロスリック国の国教は青教となります。

また、暗月の誓約マークを見てみると

 

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この中に書いてあるのって、ロスリック騎士の剣みたいじゃないですか?

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視覚的に似てる似てないという主観は危険な材料ですが、これに限っては首肯できるのではないでしょうか。

 

【根拠③:ドラングレイグと青教】

さらに獅子騎士アルバートさんは、ファーナム一式とグレートアクス、金翼紋章の盾という装備をしていました。

アルバートさんは大書庫で襲ってくる三人組の一人です。

王の黒い手(王直属の暗殺者)と結晶(大書庫の賢者たちのトップにいたはずの古老)の娘、これらに並び立ち、獅子騎士という二つ名を冠するアルバートさんはロスリック国内ではたいそう偉い騎士だったのでしょう。

そんな人が持つ金翼紋章の盾は、実は2でも「金翼の盾」という名で登場しており、そのテキストによれば、青の守護者たちが使う盾だったそうです。

ファーナム騎士といえばダクソ2のPVで登場しており、よくダクソ2の不死代表として扱われます。

勿論ドラングレイグにもファーナムの痕跡があり、ロスリック国の青教はファーナム騎士?(団?)を通じてドラングレイグから輸入されたのかもしれません。

ロスリック国の最重要施設たる「火継ぎの祭祀場」に「巨人の樹」があった事も、ロスリック国とドラングレイグとの関連を伺わせます。

またロスリックには竜と仲良くしてた時期があり、その点も「竜騎兵」を有していたドラングレイグの文化を感じさせます。

ドラングレイグとの関係はもっとたくさんあるんですが、この記事では割愛します。

 

【根拠④:竜狩りと青教】

最後に、竜or竜狩りと青教に関わりがあるかもしれないという指摘をしたいと思います。

ロスリック国は元々騎士と竜が手を取り合う国であり、その力をもって流れ着く土地を制していました。

しかしいつの頃からか竜と敵対します。それに関係があるような顔で、ロスリック城には「竜狩りの鎧」というボスも登場します。

ロスリック国と青教のことを気にかけていた僕は、もしかしたら竜狩りも青教や青の守護者に繋がったりするのだろうかと仮説を立てていました。

ドラングレイグには青聖堂という青の守護者達のエリアに「古い竜狩り(オンスタの鎧?)」がおり、またそのエリアにはグウィン王の大剣を持った鳥頭の騎士像が立っていることに注目したりしましたが、3にも竜狩りと青教との繋がりを見つけることができました。

それが「竜の頂」という竜信仰エリアにあった青教のシンボルです。

 

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ハベルの戦士へと至るハシゴで見つけましたが、他にもあるかもしれません。

この意匠、よくみるとダクソ2版の青教シンボルが横に連なっているように見えませんか?

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3の「竜の頂」はどちらかといえば竜を祀る施設です。

2の場合、青の守護者がいた「ハイデ大火灯」というエリアには「竜狩り」も「竜騎兵」も「竜」もいました(ps4版)。

ハイデはグウィン大剣を持つ像や2週目以降の守護者たちの出現などから「竜狩り」側のエリアではないかと考えられがちですが、反対意見も出せます(ちょっと無理やりですが)。

あの大柄の古騎士たちはたぶん「鉄の古王」が生み出したものかその流用であり、鉄の古王は「炎トカゲ」を使役していたからです。トカゲ(正確には「石守」という名前)は「竜の頂」にもたくさんいた通り竜の眷属だと思われます(爬虫類だし)。

 

まあつまり、青教が「竜」に関係するのか「竜狩り」に関係するのかは判断できないということです。個人的には「竜」だと思いますが、皆さんはどう考えますか?

 

 

【さいごに:青教は何を示すのか】

 

 

今まで述べたことを踏まえると、ロスリック国と青教との繋がりは突飛なものではないと考えられます。では、そうであったとしたらどうなるのか。

可能性を考えていきます。

 

 

ダクソ3では青教のシンボルマークは一新されており、明らかに青の守護者よりも3版の暗月シンボルを意識したものになっています。

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青教と青の守護者というものが昔から存在し、竜の頂にもそのシンボルがあることなどから、ロスリック国が元々持っていた青教に暗月の(つまりアノールロンドの)庇護を付け加えたという流れが自然かと思います。

青教、あるいはロスリック国がどのように遷移して暗月と繋がったのか。

別稿に譲りますが、半月は「冷たい谷のイルシール」のシンボルでもあり、法王サリヴァーンもロスリック国と関わっていたようです。

サリヴァーンは深みの聖者エルドリッチと交友があり、3の考察では欠かせない人物です。

ロスリック国とサリヴァーン(アノールロンド)という点と点を結ぶのは、青教と暗月という線なのかもしれません。

 

 

また、ドラングレイグ勢も深みの聖堂に痕跡を残しています。リンドシリーズがそれです。

 

ロスリックと「深みの聖堂」を繋ぐピースにはロザリアの蛆人や王妃の疑惑、聖堂騎士と先王オスロエスなどいくつも散見できますが、上述したロスリックとドラングレイグとの繋がりもまた、間接的にロスリックと深みの聖堂との繋がりを強めるものです。

ドラングレイグというキーワードによって「王妃の謎」や「ロザリアの謎」に何か光明が差すかもしれませんよ。ダクソ2をしろ。

 

【ロスリック国と青教】というテーマは、思ってた以上にロスリックの秘密に繋がるテーマとなりそうです。

 

 

長文失礼いたしました。次はもっと短くしたい…。